ご家庭でプレスされる場合は「あて布」などを使用し、生地のテカリには細心の注意を払ってください。シワを伸ばそうと頑張っているうちに生地がテカテカになってしまったというケースがよくあります。また、ちょっとしたシワの場合は、スーツを吊るした状態でアイロンの蒸気だけをあてるようにしてみてください。シワが伸びると共に洋服のおいも飛ばすことができますよ。 アイロンに自信がない、高級なスーツだから失敗したくないという方は、やはりクリーニングへ出されることをお薦めします。当店は「プレスだけ」というご要望にもお答えしております。 銀座で高級オーダースーツを販売している某洋服店のオーナーも「私の洋服が特別なモノに見えるとすれば、圧倒的にプレスの回数が多いだけの理由と言えましょう。そして、このプレスこそがもっとも大切なケアなのです。」とおっしゃっています。 |
せっかくクリーニングされた洋服を次のシーズンも気持ち良く着ていただく為に、クリーニング後のご家庭での保管について少しお話させていただきます。
クリーニングした洋服は「これで安心」と収納したままにしがちですが、タンスにしまったまま梅雨などの多湿な時期を経過すると洋服にも湿気がこもります。
最近は除湿機を利用されているご家庭もあると思いますが、タンスの中などはどうしても湿気がこもりがちになるもの。
そこで、その湿気を取り除くために、天気の良い日に屋根のある軒下か風通しの良い室内で陰干しするようにしてください。
こうすることで湿気が原因の虫食いやカビの防止につながります。
少し面倒かもしれませんが、大切な洋服を守るためですのでぜひともお願いします。
「パッと見は汚れていない」「特に汚すようなことはしていない」と思っていても、洋服にはヨゴレが付着しています。
その原因は、大気中のヨゴレ。目に見えないだけに厄介です。
大気には黄砂・花粉・排気ガスなど様々な物質が飛散しています。
黄砂は、曇り空のように視界が悪かったり、クルマが異常に汚れたりするので実感しやすいのではないでしょうか。ということは、外出着も少なからず汚れてしまっているということです。
また、排気ガスも油断できません。
特にバイクに乗る機会が多い方は要注意。認識しにくいのですが、白いシャツなんかは全体的に黒っぽくなってしまいます。
ということで、ワンシーズン着た洋服は、やはりクリーニングしてあげるのがベストだと思います。これはクリーニング店だから言っているのではありませんよ(笑)
クルマの車検と同じように、洋服も定期的に「メンテナンス」してあげるのが長持ちさせるコツなんです。
最近、依頼が増えているのはカーペット(じゅうたん)のクリーニングです。
理由は、やはりここ数日のお天気だと思います。急に暑くなったこともあり、雨の日にはできなかったお部屋の衣替えをし、冬物のカーペットをクリーニングに出される方が多いのでしょう。
カーペットには食べこぼしなどのシミだけでなく、ダニなどのアレルギー要因が潜んでいることがあります。
ですから、特に小さなお子さんやお年寄りがいらっしゃるご家庭の場合は「綺麗にする」目的だけでなく、「アレルギー対策」という観点からも定期的にクリーニングされることをおすすめします。
※ホットカーペット(電気カーペット)もクリーニングできますので、ご不明な点がございましたら遠慮なくご相談ください。
あくまでも個人的な感想ですが、とりあえず「臭いを除去する」という緊急避難的な意味では全然アリだと思います。
ですが、これを多用するのは少し問題があると思うのです。
まず、言うまでもありませんが、根本的に「洗う」のと「臭いをとる」のとは違います。ですから、消臭剤でヨゴレを除去することはできません。
ところが、なんだか綺麗になった気がしてそのまま放置してしまうケースがあるんです。
綺麗になるという印象は「除菌」を謳っているCMの影響もあると思うのですが、消臭や除菌と「ヨゴレを除去する」のとは別の話ですよね。
ところが、洗ったような気分になり、シミや食べこぼしが残ったまま収納してしまうことで、そのヨゴレが虫食いの原因になってしまうのです。
また、多用を避けてほしい理由は他にもあります。
あまり知られていませんが、実は洋服用消臭剤には「繊維を硬くする成分」が含まれています。ということは、使用すればするほど繊維は硬くなってしまう。
コレが厄介な点で、繊維が硬くなってしまうと洋服の風合いや着心地まで悪くなってしまうんですね。
やはり、洋服にとっては定期的なお洗濯やクリーニングで「洗ってあげる」ことが一番のケア。あくまでも消臭剤は緊急避難と捉えておいたほうが良いと思いますよ。
ここからは、国内の洗濯絵表示についてご説明させていただきます。お洗濯で失敗しないためにも、絵表示をきちんと確認し、的確な洗濯方法をセレクトしてくださいね。
【手洗いの絵表示】
「手洗い可能」の絵表示がある製品はデリケートな衣類が多いので「水洗いはできるが、あまり激しく洗うことができない」と認識しておいたほうがよいです。取り扱いに自信がない場合は、クリーニング店で「ウエットクリーニングでお願いします」と洗い方を指定されるのもひとつの方法だと思います。(指定しない場合、お店によっては水洗いで綺麗になる衣類もドライクリーニングされてしまうケースがあるようですので)
【洗濯機で洗える絵表示】
この表示は、ご家庭で洗濯される際の目安となるので皆さんご存知だと思いますが、簡単にご説明させていただきます。
つまり、数字が液温(水温)、「弱」が弱水流、「ネット使用」がネットの必要性を示しています。「95」や「60」という液温を示す絵表示もあるみたいですが、ご家庭の洗濯機ではそんなに高温で洗うことができないので、もしご家庭で洗濯されるときは「40」と同じ扱い方でよいと思います。
【ドライクリーニングに関する絵表示】
さて、次はドライクリーニングの絵表示です。絵表示の中に文字で「ドライ」と書いてあるので、ひと目でわかります。
溶剤とはドライクリーニングに使用する液のことです。余談ですが、この溶剤が汚れているとクリーニングする衣類も汚れてしまうケースがあります。
ですから、溶剤管理の徹底した信頼できるクリーニング店に依頼されることをおすすめします。見分け方として、クリーニングした洋服が「黒ずんだ」「悪臭がする」「少し重たくなった気がする」という場合、クリーニング店の溶剤管理に問題がある可能性があります。
【干し方の絵表示】
あくまで個人的な見解ですが、平干しの絵表示は「平干しっぽくないなぁ」と感じます。
まぁ、「平」と文字で明確に記載してあるのと、洋服の上のチョボ(これで吊りを表現)がないので、わかるのですが。
たぶん、平らに置いた状態を簡素化して絵表示にするというのが困難だったのかもしれませんね。
【絞り方の絵表示】
絞り方の絵表示です。「干し方」と順序が逆になってしまった感じもしますが、お許しください。
この絵表示は、そのまんまって感じですね。「ヨワク」の3文字ををうまく絵の中に入れていると思います。
【アイロンの絵表示】
アイロンの洗濯絵表示です。ポイントは限度となる温度です。上から210℃、160℃、120℃となっています。
適用繊維はあくまでも目安ですので、アイロンをかける際は、絵表示の指示を優先してください。また、ご承知だとは思いますが、限度となる温度以下であっても、同じ部分に長時間アイロンをあてていると焦げてしまいますのでご注意ください。(シワを伸ばそうと夢中になってしまうと思わぬ失敗をすることがありますよ)
【漂白の絵表示】
海外絵表示の時にもお話しましたが「漂白」という作業は、非常にリスキーです。特に塩素系漂白はベースの色まで抜け落ちてしまう可能性が高いので慎重に。と言うよりも、漂白が必要なレベルのヨゴレはクリーニング店に任せてしまう方が良いと思います。下手にご家庭で漂白などを試みてからクリーニング店に依頼すると、本来は落ちるヨゴレであったにもかかわらず、落ちなくなってしまうケースがあります。
米国製の衣料品は英語による取り扱い表記が多く見られます。ヨーロッパなどのように海外洗濯絵表示があるとなんとなくニュアンスがわかっても、英語の文章となると瞬時にわかりにくい場合もあるかもしれません。
そこで、ここからはアメリカ製品の表記についてご説明させていただきます。
【 Do not から始まる用語編 】
Do not bleach 漂白しないでください
Do not spin 回転をかけて脱水しないでください
Do not wring 手で絞らないでください
Do not tumble dry 乾燥機を使用しないでください
Do not iron アイロンしないでください
Do not iron directry on the print プリント部分に直接アイロンしないでください
Do not leave wet 濡れた状態で放置しないでください
「 Do not 」 で始まる用語は 「 ~ しないでください」 ということですから、注意が必要な事柄です。見落とさないようにしてくださいね。
次は、特に注意を払わなければならない表記をご紹介します。
【 注意事項編 】
Dry cleaning only ドライクリーニングのみ可能です
No bleach 漂白禁止
Not heat 加熱禁止(ヒーターを使わずに乾燥してください)
Rinse thoroughly 十分にすすいでください
Delicate cycle 短時間でやさしく洗ってください
hand wash cold 水による手洗いをしてください
「ドライクリーニングのみ可能」の場合は、クリーニング店にお出しください。
また、その他の表記の場合も通常の選択方法では問題が生じるケースがあるということです。
高額な洋服の場合は、クリーニング店にまかせてもらった方が無難かもしれません。
続いては「洗濯機で洗う場合の表記」と「洗濯の際の注意書き」についてご説明させていただきます。
【 Machine wash 関連の英語表記編 】
Machine wash 洗濯機で洗えます
Machine wash hot 洗濯機(高温)で洗えます
Machine wash warm 洗濯機(中温)で洗えます
Machine wash cold 洗濯機(水)で洗えます
これらは、わかりやすいですよね。 洗濯機で洗う = Machine wash ということです。
【 洗濯の際の注意書き編 】
Wash inside out 裏返して洗ってください
Wash with like colors 同色系どうしで洗ってください
Wash separately 一枚ずつ洗ってください
Wash dark colors separately 濃い色の洋服と分けて洗ってください
上記の注意書きには、くれぐれも気をつけてください。
いずれの場合も「色落ち」や「色移り」の危険性があるということです。
特に輸入品は色に関して弱いケースが多いですから、表記を見ずに洗うと、思わぬ失敗をしてしまうことがあります。
ただし、やっかいなことに表記どおりに扱ったとしても色落ちしてしまうケースがありますので、表記を過信しないでください。
ちなみに、クリーニング店では基本的に洋服自体(生地や染め具合)を見て判断しています。
また、一般のご家庭とは絶対的に洗っている量が違うので、過去の経験などを元に判断することもできます。
海外旅行でアメリカに行って洋服を購入すると、英語による取り扱い表記しかない場合が多くあります。
また、日本で購入していても英語だけしか書かれていないケースがあります。
この解説は、そういった英語表記しかない洋服を洗濯する際、参考にしていただければと思っております。
では、「乾燥および干し方」についての英語表記です。
【 乾燥および干し方に関する用語編 】
As needed tumble dry 必要に応じて乾燥機を使用できます
Do not tumble dry 乾燥機を使用しないでください (これは前回にも説明していますが念のために記載しました)
Dry in shade 日陰干ししてください
Dry out of direct sunlight 直射日光を避けて干してください
Drip dry 絞らずに軽く脱水して吊り干ししてください
【 アイロン編 】
Iron 高温アイロン可能です (ただし、特に温度指定のない場合)
Warm iron 中温アイロン可能です
Warm iron on reverse 裏側から中温アイロン可能です
Cold iron 低温アイロン可能です
Iron wrong side only 裏側からのみアイロン可能です
Do not iron アイロン掛けしないでください
Smooth by hand 手でシワを伸ばしてください
ここからは、海外から輸入された洋服についている洗濯絵表示についてご説明していきたいと思います。
【洗濯機の絵表示について】
つまり、数字が洗濯の際の水温を表示しています。そしてアンダーライン(下線)がある場合は「脱水を弱めでしてください」という表示になります。
手の表示は、そのまま「手洗い」のこと。これには水温表示がありませんが、水温は30度以下が条件です。
ただし海外製品は「色落ち」や「縮み」などに弱いケースが多いので、くれぐれも慎重にお取り扱いください。
【漂白の絵表示について】
漂白についての絵表示は上記のとおりです。
ただし、基本的に海外製品に関しては、漂白は避けられた方が無難だと感じます。理由は生地が弱かったり、染めが甘いという製品が多いからです。
また、国内製品についても言えるのですが、知識がないまま漂白にチャレンジすると、結果的に「色が抜ける」という取り返しのつかない事態となります。
どうしてもご家庭で漂白されるなら、色がついていない「真っ白な洋服」だけにとどめておくことをお薦めします。
そして、難しそうな漂白はクリーニング店にご相談ください。
【アイロンの絵表示について】
アイロン110度以下の表示は「スチームアイロンは危険」という意味も含みます。この点は、表示からは読み取りにくいので、ぜひとも覚えておいてください。
どの表示にも共通して言えるのですが、アイロンの際はできるだけ「あて布」を使用し、生地のテカリやプリントのくっつきを避けるようにしてください。
また、前回もお話しましたが、輸入品には生地が弱いなどナイーブな点が多くあります。
ですから、シワを伸ばそうと頑張りすぎると思わぬ失敗につながることもあるのでご注意を。
【乾燥の絵表示について】
タンブル乾燥とは乾燥機による乾燥のことです。
タンブル乾燥は便利な反面、回転・熱・風によって短時間で乾かす方法なので、少なからず洋服に負担がかかります。
ですので、素材によっては「縮み」や「風合いの変化」が発生する原因となります。
特にウールは極端に縮みますのでタンブル乾燥しないでください。
また、ご家庭にある乾燥機が温度設定できないタイプの場合は「条件:低温」の表示がある洋服の乾燥は避けてください。
クリーニング店の場合は素材の混合率などを考慮したうえで、乾燥の温度と時間を調整しながらタンブル乾燥したりしますが、ご家庭の場合、基本的には綿100%のTシャツなど普段使いの衣類に限り乾燥機を使用されるのがベターだと思います。
最新ドラム式洗濯機などは乾燥機能も充実していますが、最近の洋服は素材のバリエーションが多岐にわたっていますので過信は禁物です。
【ドライクリーニングの絵表示について】
下記のいずれかの絵表示がある場合は「ドライクリーニング可能」という意味になります。ドライクリーニングはクリーニング店へ依頼することになるので絵表示の意味を知る必要はないのですが、参考までに掲載しておきます。基本的に「円の中に英語がある」表示はドライクリーニングと覚えておいてください。
下線(アンダーライン)は「操作を弱く」という意味になります。
下線が2本ある絵表示も存在しますが、この場合は「操作をより弱く」という意味になります。
また、下記の絵表示は「ドライクリーニング禁止」ということです。
また、円の中に「W」の文字が記載してある絵表示もありますが、これは「商用ウエットクリーニング可能」をあらわします。
ご家庭での水洗いはできませんが、クリーニング店におけるウエットクリーニングが可能ですので、汗などの汚れをさっぱりと落とすことができますよ。
【干し方の絵表示について】
干し方の絵表示はイメージしやすくて比較的わかりやすいと思います。
ところで、ご家庭で「平干し」をされている方はどれくらいいらっしゃるのでしょうか。
それなりのアイテムが必要だったり、スペースをとるのでどうしても敬遠しがちですよね。
ですが、ニットなどの伸びやすい生地をハンガーで干すと、ハンガーのカタチに肩の部分が飛び出したりして型崩れする場合があります。
お手軽な方法は「100円均一でワイヤーネット(長方形で目の荒い金網)を購入し、そのネット本体を吊り下げて干す」というやり方です。
ワイヤーネットの両端にS字フックやハンガーをうまく固定すると、わりと簡単に吊り下げることができますよ。
そして、このネットを2段にすればスペースも半分ですみます。
「平干し」で検索すると同じようなやり方が紹介されていますので参考にされてみてはいかがでしょうか。
驚くことに洗濯絵表示がすべて「×」になっている洋服がたまにあります。 ってことは、こうした洋服は「洗えません!」ということになるのでしょうか?
みなさんもご存知のユニクロのダウンジャケットなどにもこうした表記のモノがあります。
でも、実はウエットクリーニングできるんです。では、なぜオール「×」(バツ)にされてしまったのか。
その原因は、この絵表示がダウンジャケットに添付される前に発売されたエアテックという商品にあります。
この商品を家庭で洗濯した際、非常に水切れが悪く、洗濯機がゴトゴトと動き出して倒れてしまうという事故が発生しました。
そこで、「家庭での洗濯は危険です」という意味で、その後に発売されたダウンジャケットの洗濯絵表示がこうなったそうです。
このように、洗濯絵表示がすべて「×」という洋服は『専門家(クリーニング店)にご相談ください』というメーカー側のメッセージであるケースが多いのです。